SOAD OF WOULD
部屋中が自分の絶叫で響き渡る中、
隣の仲の良いおじさんの声が聞こえた。
『さつきちゃん!あんたの父さんが!!』
なんて?父さま?
私は黙って外に出る。
『――――――――――――――――――――――っ!!!!!!!』
ずっと、遠くの方で父さまらしき人が
倒れているのが見えた。
またもや、一生懸命走り…
その人の元へ行く。
案の定、血に塗れ血の海の中に
埋もれた父さまの姿があった。
父さままで!!!
『父さま!!!』
『さ…さつき…。す、すまん…。
いけると思ったんやけど…やられてしもうた…。
お前を…一人にしてしまう…父さんを…許してくれるか…。』
『そんなん、ゆるしません!父さまは、私といっしょにいきてください!』
『すまん…なぁ…。そうしたいけど…傷が…深くてなぁ…。』
わかってます!そんなこと!父さまがたすからんことくらい!!!
心の中に真っ黒な塊が出来ていくのを
感じていた。
そして、己が父さまにこう言う。
『父さま。母さまをあんなふうにしたやつが、父さままでも、こんなすがたにしたのですか。』
『はははっ。』
力なく笑う父さま。それが、肯定を示すことは、
小さな俺でも分かってしまっていた。
父さまは気づいてないのか、
『ほんまに…すまんなぁ…。なぁ…さつきの笑顔が…父さん…見たい。』
『そんなの、いくらでも…みしてあげる!!』
笑えているか分らないが、精一杯の笑顔をつくる。
『さすが、父さんの…子や。可愛ええ。』
にっこりと笑ってくれる父さま。
父さまは、俺の小さな手を握り、
『俺はな…さつき。さつきも、母さんも…大好きやから…なぁ。』
父さまは遠くを見つめて言う。
そんな、言葉を最後に…
手を握る力もなくなり、母さまとまったく同じように
トサッ。
と父さまが亡くなったと知らしめる音がなった。
この音を聞いた俺は、
既に壊れかけていた”物”が完全に割れる音を聞いた。