SOAD OF WOULD
それから、おじさんと別れ
母さまからもらった、紙の住所を頼りに向かうと
塀に囲まれた立派な建物があった。
『すみませーん。』
コンコンと扉を叩けば看守の人が出てきた。
『何用や?小さな娘が?物騒なもん二つも持って。』
『それはいいです、私、梅島 さつきって言います。』
『梅島!?ちょっと、そこで待っとき!』
そう言って看守の人は中に入っていった。
数分もすると、扉が開き
『入り。』
と先程の看守さんが言うてくれた。
『しつれいします。』
中に入ると、立派な中くらいのお屋敷があった。
『おぬしがさつきか。』
『はい。そうです。』
『どうして、此処へ来た?』
『生き延びるため、と強くなるためです。』
『そうか。二人は。』
『殺されました。』
『─────!!そうやったか。』
『なんですって!あれだけ強いお二人が…。』
看守の人が声を荒げた。
『おじさん、お願いがあるんです。』
『なんじゃ。』
『いま、お二人の反応を見て…おじさんは母さまと父さまの師匠ではありませんか。』
もう何年か前に母さまと父さまから聞いたことがある。
二人には強い師匠がいると。
でも、教えが納得できず…二人でそこを出てきたと───。
『………………。』
『肯定と受け取らせてもらいますよ。』
しばしの沈黙が流れる。
俺は、おじさんに言う。
『私を鍛えて下さい。そして、俺は…敵を討つまで男としていきます。』
『本当に───良いのじゃな。後悔はせんか?』
『えぇ。かまいません。しません。』
きっぱりと言い放つ。
『師匠!あの二人は、そんなこと望みませんって!』
『分かっとる。二人はワシの教えを拒んだ弟子達じゃ。
でもな。もう、この娘に何を言おうが無理じゃ。
この世を去った…あの二人しか止められん。』
『そんな…!!』
『ワシも頑張ってはみるが、可能性は無いに等しいじゃろう。』
そんなこんなで、俺の男としての厳しい生活が始まった。