SOAD OF WOULD
俺は一人前になっていた。
師匠にも勝つことができるくらいに強くなっていた。
あぁ。やっと…目的が果たせる。
目的を果たした後はどうするかって?
その時はその時に考える。
『師匠。ご指導、ありがとうございました。』
『お主、やはり変わらんのか。』
師匠が言いたいのは復讐のことだろう。
『えぇ。変わりません。』
『そうか………。』
師匠は俺に何度も言ってきた。
こんな教えを説いてはいるが、復讐をしても
そこに悲しみが生まれるだけだと。
何百回と同じセリフを聞いた。
だが、俺の心に響くことはなかった。
『では、行ってまいります。』
俺は門をくぐり抜け、ある情報屋に向かった。