SOAD OF WOULD


師匠の所へ行ってから、あの看守さんに頼み

”アイツ”は誰なのかを調べてもらった。

名前は

菊木 健介という名だと分かった。

そして、俺は今…

情報屋の主人に尋ねていた。

『だんな、菊木 健介の居場所は分かるか?』

『お、見ねぇ顔だな。』

『それより、居場所は?』

『情報料は高くつくぜ?兄ちゃんよ。』

『あぁ。』

ドサッ。

と小判をだす。

『――――――!!こりゃ、失礼したね。』

『良いだろう。小判5枚で。』

『あぁ。』

小判を渡す。

『交渉成立だ。アイツは、岡崎さんの屋敷にいる。かなり、強いよ。アイツは。』

『あぁ。そうだろうな。そうでなくちゃ困る。』

ニッコリと微笑む。

そんな俺の顔を見た、旦那は引きつった顔をしていた。

『へ、へぇ……。それでだがな、アイツは夕刻になると家が並んだ通り――』

『あそこか…橋の近くか?』

『あぁ。そうだ。あそこの住民も毎日、怯えてるよ。あいつがたかりにくるからな。』

『ふぅ~ん。留まってくれてたのか―――。嬉しいねぇ。』

『兄ちゃんは、アイツに何用だ?』

『うーん。聞かない方が身のためだぜ?』

『そ、そうだな…!す、すまねぇ。野暮な事を聞いちまった。』

『分かってくれたなら良いよ。じゃ、情報ありがと。』

『まいど。』

情報屋を出た俺は、

嫌な思い出と楽しかった思い出が詰まっている

あの”場所へ”向かう。


< 24 / 33 >

この作品をシェア

pagetop