キミと同じ世界
安堵した中、ハッと我に帰る。
そうだ、始業式だ。
だとしても、注目の転入生と一緒に行動すると、あらぬ噂を立てられるかもしれない。
それだけは避けたい!
「あ、私ちょっとトイレ行くから、、
先行ってて?」
本日二度目のセリフ。
我ながら名演技。
「場所わかんないんだけど?」
私の渾身のセリフに、聞き返すド天然。
そうだよね、転入生だもんね、、
数秒頭で考えた後、
「あいたたた、お腹が、、!」
左手をお腹に当て、眉間に皺を寄せる。
そしてトウヤが反応する間も与えずに、私は彼の前を突風の如く駆け抜けた。
「あっ、おい!」
——キーンコーンカーンコーン
私の背中に向けて叫んだトウヤの声は、始業式の始まりを告げる予鈴に掻き消された。