キミと同じ世界
トウヤから見事に逃げ切った私は、静まり返った校舎の廊下を、スローダウンして歩く。
こんなに静かな廊下の訳は、生徒全員、体育館に行ってるからで。
やばい、やばい。
目立つようなことはしたくない。
ふと教室側の方を見ると、自分の教室の前。
真っ暗で、誰もいない。
、、はずなのに、奥で動く影が見える。
ん?何でだろう、
そう疑問に思ったら、自然と足は教室の方へゆっくりと向かっていた。
10センチ程開いたドアの隙間から、そっと中を覗き見る。
ちょうど教室の真ん中くらいの席で、ガタガタと音を立てて机をあさる人物。
こちらに気付いてる様子も無く、後ろ姿から焦っている雰囲気が窺える。
耳の下の位置で、ひとつに結った髪が揺れていた。
顔は見えないが、その特徴でクラスメートの宮内さんだと気づく。
クラスの中で特別浮いてるわけでも無く、誰とでも仲良いような明るい子だ。
クラスのリーダー的存在に位置づく、亀田さんグループのひとり。
亀田さんたちはもう行ったみたいだし、何してるんだろう?
—— カタッ
中の様子を見ようと身を預けていたドアが、微かに音を立てて動いた。
やばいっ!!
「だれ?」
人のいない空間で、反響するように声が通った。
宮内さんの体がクルリと後ろを振り返り、
隙間から覗いていた私と目が合う。