キミと同じ世界
エントランスの廊下を左に曲がり、体育館の玄関に入る。
全校生徒が集まる大きな空間。
私は後方から、静かに自分のクラスの列へ加わる。
運の良いことに、後ろの列にエリたちが並んでいた。
私はその輪に入るように、ノッチ、マナミ、エリの順の後ろに並ぶ。
いち早く私に気づいたエリが、私に体を向け振り返る。
「遅いよ、ミズキ!どこまで行ってたの?」
コソッと小声で私を叱る。
その瞳には心配の色が映る。
「ト、トイレだよ」
トイレなんて一度も行ってないけど、今日はこのセリフをよく使うなぁ。
「大丈夫?お腹壊したの?」
「ちょ、ちょっとね、、」
うん、お腹痛いフリもしてたし、もう一人のミズキはそんな感じかな。
ついさっき、トウヤから逃げてきたことを思い浮かべる。
うん?そういえば、トウヤはまだ体育館に着いてないのかな?
私は教室に寄り道したし、あそこの階段から真っ直ぐ下に降りたら、エントランスまでの道なんて一直線だし。
距離的にも時間的にも、彼の方が早く着いててもおかしくない。
自分たちのクラスの列を後ろから見ても、彼の180センチある高身長は見当たらない。