キミと同じ世界
茶色のキャラメル色のブレザー。
真っ黒の我が校の制服の中では浮いて見えるはず。
改めて体育館全体を見渡してみても、彼の姿は無い。
「ミズキ?だれ探してるの?」
私の行動を不思議に感じたエリが、私の目を見つめてそう尋ねた。
「あ、えっと、、転入生、いないなぁ、て思って、、」
なんで私がそんなこと気にするの、なんて言われないか心配になりながらも、口籠って答えた。
だがそんな私の心配も虚しく、エリはキョトンとした顔で返した。
「そういえば、まだ来てないね。道に迷ってるのかなあ」
うーん、と人差し指を顎に当てて、考える仕草をしたエリ。
まだ来てない?
「この学校、意外に広いからね〜」
三年目ともなれば、この校舎に慣れて、広いとも考えたことなかった。
大丈夫かな、、
今更ながら、置いてきてしまったことを後悔。
探しに行こうか、なんて脚がうずうずする。
でもここでトウヤを探しに行って、エリたちはどう思うかな。
想像すると、その心配のほうが勝ってしまって動かない。
あれから30分、私たちのクラスの列に加わったのは、宮内さんだけ。
この高校の伝統でもある、校長先生の長い話も終了してしまった。
そこからは早いもので、教頭先生が式の終了を告げていた。
「今日も長かったね〜肩凝るわ〜」
マナミがぐーっと腕を上に伸ばしながら、そう言った。