キミと同じ世界
「行こっか」
エリもそれを見て、再び歩き出した。
私も彼女を追うように教室を出る。
ただ一人、視線を変えず、教室を出ていく私の姿を見ていたとも知らずに。
教室を出て階段を下り、エントランス前の靴箱でそれぞれ立ち止まる。
「ミズキ、これから何するの?」
エリがそう聞いたのは、始業式がある今日は午前中しか授業がなくて、
午後はフリーだからだ。
殆どの生徒はこんな日を楽しむべく、部活動に勤しんだり、遊びに行ったりしている。
「家に帰るだけだよ。何もすることないし、、
「おっ!相川!!暇なのか!!!」
ぎくっ
エントランス中に響き渡るような野太い声が、私の耳を劈く。
、、嫌な予感しかしない。
振り返り、声の主のほうへ目を向ける。
いつの間にか青色の上下ジャージ姿に身を包んだ担任が、私たちの靴箱の前に仁王立ちしていた。
いつからそこにいたのか、そのポーズは何なのかなんて聞きたいことは山ほどある。
それよりも、厄介な人に捕まった、、とエリと私は無言で顔を見合わせる。
「い、いや、暇というか、、」
「なんだ、何もすることないって言ってたじゃんか。丁度、そういう人を探していたんだ!!!」
キラッキラの少年のような無垢な瞳で、私たちの前へ歩みを寄せた。
「今度の学園祭に使う資料をまとめてほしいんだよ。なんだ、簡単な仕事だから気にすんな!」
いや、論点はそこじゃなくてですね。
とも言えず、はあ、、と零す。
「お願いだ、相川!先生今から会議なんだが、資料明日までに配らないといけねえんだよ〜〜」