キミと同じ世界
頼む!!と顔の前で手を合わせて頭を下げる担任。
先生たちも常に忙しそうである。
生徒たちが午前授業であろうと、彼らにはたくさんすることがあるのだ。
こんな頼みこまれてしまっては、断る理由も見つけづらい。
私は決心を示すようにふぅ、と一息吐いて言った。
「わかりました、やりますよ、、」
履きかけていたローファーを靴箱の中にまた戻し、代わりに上履きを履いた。
「うおっ、まじか!ありがとう相川!!
恩にきる!!!」
ガバッと顔を上げ、満面の笑みを浮かべていた。
ほんとに、騒がしい人だ。
まあそれが、生徒や他の先生方に好かれる訳なんだろうけど。
「ミズキがするなら、手伝うよっ」
私よりも先に靴に履き替えていたエリが、
そう言いながら靴箱の扉を再び開けようとする。
「大丈夫だよ、エリ。柳原くん、待ってるでしょ?」
彼女の手を優しく掴んで、その先の動きを止める。
「でも、、
「気にしないで。私がやるって言ったんだもん」
エリが申し訳なさそうに眉を八の字に寄せて、私を見つめる。
私のことを上目遣いで見る目は潤んでいて、
私が男だったら簡単に恋に落ちてしまう。
「大丈夫だ佐山!一人でできるし、すぐ終わるからな」
さっきの懇願の姿勢はどこに行ったのか、
親指を立ててグーサインをしている。
—— ♪♪♪
そんなタイミングで、着信音が私たちの間に流れる。
その携帯の持ち主はすぐに気がつき、ポケットから取り出し、その薄ピンク色の端末を耳に当てる。
「、、うん、今エントランスのところだよ」