キミと同じ世界
エリが電話しているその相手はきっと、
柳原くんであろう。
「、、え!?もういるの?早いよ。今から行くからちょっと待っててね、、うん。
またあとで」
彼らの会話は1、2分ほど。
私と担任の山ちゃんは食い入るように、エリの姿を見ていた。
すると携帯を耳から離し、エリは私に体を向ける。
「淳くん、もうカフェに入って待ってくれてるみたい。私が行きたいって言ったお店だし、、」
「うん。行ってきて」
申し訳なさそうな顔で私を見つめるもんだから、
彼女の言葉を遮るようにニッコリ微笑んだ。
「ごめんね、手伝ってあげられなくて。
行ってくる!」
エリはコロコロと彼氏が変わるが、彼らに好意を持っていないわけではない。
付き合っているときはその人に一途で、
かといって友達を疎かにするわけでもなく。
愛情に溢れた人だ。
「お、青春だな!行ってこいっ」
山ちゃんがガハハハと豪快に笑い、大きく手を振る。
エリは山ちゃんの見送りに一瞬苦い顔をしたが、
私へと微笑んで、「またね」と小さく手を振り身を翻した。
私もまたね、と返して彼女を見送った。
エリがエントランスを抜けたと同時に、
パンッ!と手を叩く音が響く。
「よしっ、相川。ついてこい!」
ニカッと白い歯を輝かせて、青いジャージの男性はドスドス、と歩き出す。