キミと同じ世界
彼から目を背けるように、私は手元に集中した。
カチャン、とホッチキスの音が鳴り響く。
その音が淡々と静かな部屋で流れていた。
——15分後、
バラバラに積まれていた資料たちは綺麗に揃えられて、
机の隅に寄せられていた。
「ほい、これで終わり」
トウヤがそう言って差し出した資料を受け取り、
私はふぅ、と息を吐くと同時に力を込めた。
「お、おわった、、」
その紙をパサッと積み重ね、そのまま腕をグーッと天井へ伸ばした。
トウヤの助けがあり早く終わったものの、
身体は硬直していて、私は開放感を感じた。
部屋に飾られた壁時計を見ると、13時を回っていて。
昼ご飯をまだ食べてない身としては、そろそろ限界だ。
「うっし、帰るか」
ガタン、と向かいの席に座っていた彼が立ち上がり、
私の方を見て言った。
「え、先生待たないの?」
私に雑用を託した山ちゃんを待つ時間潰しで、手伝ってくれていたと思ってたのに。
矛盾した彼の行動に、疑問が浮かぶ。
「んー、別に急ぎの用事じゃないし」
けろっとした様子でトウヤは答えた。
ええ?
じゃあ何で、先生を待たなきゃいけない、なんて言ったの?
問いに答えてくれたが、余計に彼の真意がわからない。