私しか、知らないで…

時計を見たら3時間以上経ってた



「帰り、私のアパートまで送ってよ
歩くと20分、車だと5分、
自転車だと…何分?」



「え…?」



「亜南くんの頑張りにかかってる」



「はい…?」



ファミレスから出たら

空が夕方だった



彼女はオレの自転車の荷台に乗った



「おしり痛い…」



「え…?」



「裏道から行けば大丈夫
車も来ないし…」



そーゆー問題でもないと思う



夏の夕日に向かって

彼女を乗せて自転車をこいだ



彼女はオレの後ろで涼しそうにしてた



「地味に、上り坂に、、なってる?」



「んー、わかんない
自転車で帰ったことないから

亜南くん、部活とかやってたの?」



「理科、、研究部です」



「へー…運動部じゃないんだ」



またバカにしてる?

理科研究部とか陰キャだな…って



オレ

なんなの?

なんでこの人乗せて自転車こいでんの?



日は落ちて来てるのに

来る時より暑いのは

まだアスファルトが焼けてるせいかな?



この人の体温かな?



オレの身体に腕が回されてて
ピッタリくっついてた



汗臭くないかな?オレ



「あの、、、暑いから、ちょっと離れて…」



「ヤダ…離れたら落ちるもん」



そう言って彼女は更に腕に力を入れた



「ちょっと、、、
バランスくずすから、、やめてください」



「アハハハ…
でも、意外と体力あるんだね」



意外と…ってなんだよ


理科研究部なめんな!



「もぉ少しだよ!がんばってー
アハハハハ…」



ムカつく



オレの背中で彼女は笑ってた



「ちょっと、ちゃんと前見てよ!
あ、見えてきた
あそこ…緑の建物」



結局15分かかった


歩くのと、そんな変わんない



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