私しか、知らないで…

時計を見たら3時間以上経ってた



「帰り、私のアパートまで送ってよ
歩くと20分、車だと5分、
自転車だと…何分?」



「え…?」



「亜南くんの頑張りにかかってる」



「はい…?」



ファミレスから出たら

空が夕方だった



彼女はオレの自転車の荷台に乗った



「おしり痛い…」



「え…?」



「裏道から行けば大丈夫
車も来ないし…」



そーゆー問題でもないと思う



夏の夕日に向かって

彼女を乗せて自転車をこいだ



彼女はオレの後ろで涼しそうにしてた



「地味に、上り坂に、、なってる?」



「んー、わかんない
自転車で帰ったことないから
…
亜南くん、部活とかやってたの?」



「理科、、研究部です」



「へー…運動部じゃないんだ」



またバカにしてる?

理科研究部とか陰キャだな…って



オレ

なんなの?

なんでこの人乗せて自転車こいでんの?



日は落ちて来てるのに

来る時より暑いのは

まだアスファルトが焼けてるせいかな?



この人の体温かな?



オレの身体に腕が回されてて
ピッタリくっついてた



汗臭くないかな?オレ



「あの、、、暑いから、ちょっと離れて…」



「ヤダ…離れたら落ちるもん」



そう言って彼女は更に腕に力を入れた



「ちょっと、、、
バランスくずすから、、やめてください」



「アハハハ…
でも、意外と体力あるんだね」



意外と…ってなんだよ


理科研究部なめんな!



「もぉ少しだよ!がんばってー
アハハハハ…」



ムカつく



オレの背中で彼女は笑ってた



「ちょっと、ちゃんと前見てよ!
あ、見えてきた
あそこ…緑の建物」



結局15分かかった


歩くのと、そんな変わんない



< 110 / 250 >

この作品をシェア

pagetop