私しか、知らないで…

紫苑を玄関まで送った



母親が出てきた



「おじゃましました」



「ホント、ごめんなさいね
せっかく来てもらったのに…」



「いえ…

私は…今まで失ってショックだったものって
そんなに記憶にないけど
彼は、私がわからないぐらい大切なものを
失ったんだな…って

お母さんは今
何を失ったらショックですか?」



「んー…そぉね…」



「例えば、彼を失ったら
亜南を失ったら、どぉしますか?」



紫苑と母親がオレを見た



え、オレ?



「あー、亜南がいなくなったら…
考えられないけど…
ショックかも…」



なに、それ…



「スミマセン
考えなくてもいいこと考えさせてしまって
あくまでも例えなので…
でも、それくらい大切なものを
彼は失ったんでしょうね
わかってあげてください」



「ホントにごめんね、亜南」



「うん…」



なに、これ…




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