こんな思いを···いつまで
六話···仕事

···マシュー来日


総務課の仕事を初めて
5ヶ月が過ぎた。

山内さんとは、仲良くさせて
頂いている。

山本さんは、専務秘書を辞めて
関連会社に異動されたとか
いま、専務には男性の秘書が
就いている。

まぁ、私には、どちらでも
構わないが。

近頃、専務から食事の誘いがある。
毎回、お断りをしている。

嫌でも籍を入れたら
一緒にいないといけないのに。
今は、縛られたくない。
そんは私と専務を見て山内さんは、
毎回笑っていた。

「やっぱり、ひまりちゃん、
いいわ。好きだな、わたし。
仕事もできるし、このまま総務に
いて欲しい。」
「私も、山内さんといれる事が
嬉しいです。
お仕事も楽しくて
辞めずに働きたいです。」
「私から旦那に頼んでみるね。
社長に直にお話してもよいけど。
あっ、話しは違うけど
ボランティアには、行ってるの?」
「はい。土日のどちらかに
あれば参加させて頂いています。
ピアノを弾いたり、本を読んだり
ですが、楽しいです。」
「私も、ひまりちゃんのピアノ
聴いてみたいな。
次は、いつ?」
「土曜日の15時から
教会でピアノを弾く予定です。
交通事故で両親を亡くされた子供達
父子家庭や母子家庭の子供達で
親御さんが入院されている
そんな子供達とその子供達を見守っている
シスター方の参加です。」
「そうなんだ。色々な方がいるんだね。
私も、その教会に行っても?」
「はい。大丈夫です。
教会は、開放されていますから。」
と、お昼に話をして
仕事にもどると
受付から山内さんに内線が···

「そうなの、わかった。
    直ぐに、行くから。」
と、返事をして
「ごめん、鮎川さんと受付に
行ってくるから、何かあったら
ピッチならして。」
他の方に声をかけて
「ひまりちゃん、受付からで
言葉が通じない海外の方が
見えて対応に困っているらしいの
一緒に行ってもらえる?」
「はい。お役にたてるか
わかりませんが。」
と、言って二人で受付に向かった。

受付の綺麗な女性達と
背の高い男性がいた。
私を見つけた、受付のリーダーが
「あっ、鮎川さん
すみません。どうやらドイツ語のようで。」
と、言われたから
「わかりました。お話ししてみますね。」
と、言って
『申し訳ございません。
鮎川と、申します。
本日は、どのような事で
当社にお見えでしょうか?』
と、訊ねると
『君が、ひまり?』
と、男性
『はい。鮎川 ひまりと申します。
あなた様は?』
『私は、マシュー・モルガンです。
充彦と友達です。』
『充彦様でございますか?三井様の。』
『そう。実は、充彦に会いに
来たのだけど。
充彦からひまりの話を少しだけ
聞いていたから会いに来ました。
本当は、僕、英語わかるんだ。
母国語だからね。
でも、こうでもしないと
ひまりに会えないでしょ。』
と、言うモルガン様に
『私に用事がございますなら
少しお待ちください。』
と、伝えて
受付のリーダーの方と山内さんに
その胸をお伝えした。

受付のリーダーの方は、ほっとして
山内さんは、小会議室を使用するように
おっしゃってくれた。

私は、受付の綺麗な皆さんに
「申し訳ありません。」
と、頭を下げて
モルガン様を小会議室へと案内した。
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