LOVE and DAYS…瞬きのように
『バカふたりの幸せが続きますように』
あたしはアキの短冊を読んで、わなわなと肩を震わせた。
「アキ……もしかしてそのバカふたりって、あたしも入ってる?」
「他に誰がいるよ」
「ひどい!やっぱりアキ、ドSだ!」
「はぁ?」
めずらしく目を白黒させるアキに、みんながいっせいに噴き出した。
笑われたアキは「わけわかんねー」と唇をとがらせる。
「まぁまぁ。何にせよ、ふたりの幸せを願ってくれてるんだからいいじゃん。ね?」
と間に入ってなだめてくれる真由ちゃん。
まあ、言われてみれば確かにそうなんだけどね。
「ありがと……アキ」
「遅ぇよ」
そっけない態度の中に、隠された優しさ。
こんないい友達を持ってる健吾はやっぱり果報者だね。
あたしは隣にいる健吾の指を、きゅっと握った。
すると健吾はあたしの手のひら全部を包み込むように、大きな手で握り返してくれた。
温かい健吾の体。
温かいみんなの笑い声。
あたし、今までずっとこういうのに憧れていたのかもしれない。
ひとりきりの家でご飯を食べるんじゃなく
大好きな人たちと他愛のないこと言い合って、はしゃぐ時間。
あたしの居場所。