LOVE and DAYS…瞬きのように
あたしはペンを持ったまま、しばらく右手を宙で止めていた。
願い事、か。
あたしの願い事……。
好きな人とは両想いになれたし、友達ともうまくいってる。
それ以外に、願いなんて――
「莉子、本気で悩みすぎ」
いきなり真横に健吾の顔が来て、あたしは飛び上がった。
「短冊ごときで真剣になるなんて、ガキだなお前は」
「しっ、真剣になんかなってないもん!」
「嘘つけ。めちゃくちゃ悩んでたじゃねぇか」
「悩んでないもん!」
もう、健吾のバカ!
なんでこの乙女心がわかんないんだろう。
あたしは腹いせに、『健吾のバカが治りますように』と短冊に殴り書きをした。
すると健吾は余裕の表情で、『莉子にもうちょっと可愛げが出ますように』と書いて応戦。
「何よそれ、ひどくない?」
「お前も人のことをバカ呼ばわりしてんだろ」
あたしたちが口ゲンカしている横で、涼しい顔のアキが短冊にペンを走らせる。
そこに書かれた文字はなんと……