LOVE and DAYS…瞬きのように


「……あいつさ、莉子ちゃんのことがマジで大切なんだ。

好きだからこそ、今はああするしかないんだと思う。

別れて辛いのはあいつも同じなんだよ。

だから、わかってやってほしい」
 

泣き続けるあたしの背中をさすりながら、シンさんはそう言った。

 

わかってあげて、って何を? 

あたしの気持ちは、どこに持っていけばいいの?
 

健吾のそばにいたい

失いたくない。


健吾と一緒にいられるなら、それだけでよかったのに。
 


あの日からほぼ毎晩、あたしは健吾の夢を見る。


夢の中のあたしたちは、笑い合ったりふざけ合ったり、以前と何も変わらない。


それはとても幸せな光景で

あたしは健吾の胸で、子どものように甘えている。
 


だけど朝が来て目が覚めた瞬間、あたしは現実に引き戻される。

さっき見たものは夢だったのだと少しずつ認識し

毎朝、同じ絶望をくり返す。
 


こんなにも泣いているのに、どうして健吾はなぐさめてくれないの。


意地悪な笑顔であたしの髪をクシャっとして
「ガキか、お前は」って笑ってくれないの?

 

こんな辛い思いをするくらいなら、初めから好きになんてならなきゃよかった……。



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