LOVE and DAYS…瞬きのように
シンさんはそこで言葉を切って、コーヒーをひとくち飲んだ。
そして言いづらそうな声で、つぶやいた。
「健吾の元カノの、ミサキ」
やっぱり、そうだったんだ……。
昨日あたしが見た光景。
それは、あの男たちと仲よさげに歩く、ミサキの姿だった。
北高の制服を着たミサキ。
あの瞬間、全てが一本の糸でつながった気がしたんだ。
「ミサキは健吾をあきらめきれなくて、莉子ちゃんにずっと恨みを持ってたらしくてさ。
あの男たちはいつも、ミサキのグチを聞いてたから、ふたりの名前を覚えていたんだ。
だからあのとき“莉子”っていう名前を聞いて……あいつら、ミサキと手を組むことにしたらしい」
「あたしを狙ったのは、ミサキさんの指示だった……ということですよね」
「うん……」
シンさんが苦々しい顔でうなずいた。
アキは冷たい表情で、ストローの袋をくしゃっと握りつぶす。