LOVE and DAYS…瞬きのように
喉の渇きを癒すように、シンさんはコーヒーではなく水を飲み干して、言葉を続けた。
「健吾が停学になってる間、俺も学校休んで、このことを調べたんだ。
すぐにあの男たちと話をつけたから、もうあいつらが健吾を狙ってくることはないと思う。
でも……」
シンさんの声が弱々しく消えていく。
何を言おうとしているのかは、最後まで聞かなくてもわかった。
「つまり……ミサキさんの方はまだ、解決していないってことですよね?」
「……うん」
そう、それが“半分残ってる”の意味。
ミサキの恨みはあたしに向かっている。
健吾じゃなく、あたしを傷つけようとしている。
だから健吾は、あたしと距離を置くことを選んだんだ。
「健吾、相当悩んだと思う。
ミサキは女だから殴ることもできねーし。
自分自身、責任感じてる部分も大きかったと思うんだ。
でも、わかってやって。
あいつにとって最優先は、莉子ちゃんを守ることだったって」
シンさんの言葉が、あたしの胸にずしりと降りてくる。
テーブルの上に置いた手が震え、コーヒーカップがカチャカチャと鳴った。