LOVE and DAYS…瞬きのように
バイクに乗せられ連れて行かれたのは、健吾のマンションだった。
玄関をくぐると、なつかしさに胸が詰まった。
たったの一ヵ月なのに、もっと長い間ここを離れていた気がする。
耳の痛くなるような沈黙。
健吾が台所のテーブルにキーを置くと、金属音がやけに大きく響いた。
健吾はまだ口を開こうとしなかった。
難しい顔をしたまま、あたしと目を合わせようともしない。
どういうつもりであたしを連れて来たの?
気まずさと不安、そして
今すぐにでも胸に飛び込みたいほどの愛しさで、あたしは頭がパニックになる。
そのとき、あたしの目に意外なものが飛び込んできた。
それはあたしがこの部屋に残していった、あたしの私物。
健吾に買ってもらったルームシューズも、クッションも。
大切そうに、あの頃と変わらずにそこにあった。
健吾、捨てずに置いてくれていたんだ……。
「……くそっ!」
突然、健吾の低い声がした。
あたしはビクッと体を震わせ、次の言葉を待った。