LOVE and DAYS…瞬きのように
長袖を着ているときには気付かなかった、右腕の大きなすり傷。
まだ新しそうな、赤い傷あとが痛々しい。
健吾は「ああ」と軽い口調で言った。
「バイトで、ちょっとな」
「え……」
ズキッと胸が痛む。
だけど健吾は余裕の表情で
「体を使う仕事だし、このくらいは仕方ねぇよ」
その顔を見ていると、よけいに胸が苦しくなった。
あたしが優しい人たちに囲まれてバイトしている間、健吾はこんなにハードな仕事をしていたんだ。
なのに毎日、あたしに会いに来てくれて。
サヨさんが帰ってくるまで一緒にいてくれる。
ごめんね……健吾。
申し訳ない気持ちと同時に
愛しさが急激にこみ上げた。
ただの好きなんかじゃない。
愛してる……
そう思った。