好きだった同級生と再会した
 どうせただのおつかい。

 地元、それも自分の家から歩いて行ける距離ということもあって私は対してお洒落をすることもなく家を出た。

 おつかいそのものはすぐに済み、私は本屋に立ち寄ることにする。そういえば好きなミステリー作家の新刊が発売される日だったと平台を確認しに向かった。

 目当ての本を見つけて立ち読みしていると横から声が降ってきた。

「あれ、もしかして大野?」
「えっ」

 振り向くとそこには高校の同級生の本田くんがいた。

 当時と比べてさらに身長が伸びた彼の身体は高校生のときよりがっしりとして見える。私に向けられた笑顔には昔のままの爽やかさがあった。

 ああ、やばい。

 相変わらずのイケメンだ。

 それと私、どうしてもっとちゃんとした格好で外出しなかった?

 後悔先に立たずである。
 
 
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