クールな彼の甘苦い罠
『 北公園前〜 北公園前 〜 』
バスが停まると平石の絡まった指はスッと離れ、
「 それ 貸して 」
私の左手を握ってた手は
私が持っていた買い物袋に伸びて、
驚いてしまったから お礼も言えずバスを降りる
バスを降りて 稜矢くんと菜桜と4人で
平石の家に向かう
「 ねぇ はる。聞いて欲しい 」
大きな公園の横を歩きながら
菜桜が私の腕に手を絡めてくる。
私は首を傾げると
「 稜矢くんのこと、好きかも 」
って 照れ臭そうに言う菜桜、
その姿がたまらなく可愛くて、
「 私は気づいてたよ、菜桜のタイプじゃん 」
前を歩く2人に聞こえないように言った。
「 さすがはる!
さっきもね、髪型とメイク褒められちゃった 」
って 嬉しそうな菜桜を見てると
私まで嬉しくなった。