クールな彼の甘苦い罠
「 お邪魔しました 」
午後6時前、お開きとなり
私たち3人は平石の家を出てバス停に向かう
「 なんかあった? 」
って 私の隣に来て言う菜桜。
稜矢くんも、「 紫月の機嫌悪かったし 」って付け足す。
「 実はね… 」
2人がいなかった間の部屋での話をした。
「 紫月は、あんな風に見えて色々抱えてんだよね。本当は聞いてくれる人が側に欲しいけど、強がっちゃうし。」
って 稜矢くんが言う。
「 あいつ、家族の話も全くしないじゃん?
まー、色々複雑だからさ。」
バスを待ちながら私は稜矢くんの話を聞き、
平石が家族のことや過去の恋愛を抱えていることは分かった。
詳しいことは稜矢くんからは言えないって。
「 紫月が遥野ちゃんをどう思ってるかは分かんないけど、藤野に対して嫉妬してるのは間違いないんじゃない?」
「 え?そうなの?!」
「 紫月、遥野ちゃんに心許してる部分あるよ。俺は長い付き合いだから見ててわかる 」
…気づかなかった。
私に対しての興味なんてなくて、
ただ近くにいる人に寂しいから触れたい。それだけだと思ってた。
それがただ私だっただけ。そう思ってた。