クールな彼の甘苦い罠
「 あいつのこと何も知らないのに
どんどん惹かれちゃうの怖いよ 」
私は笑いながら言ったけど、結構本音。
何に惹かれているのか分からない
良い印象よりも悪い印象が勝るのに
それでも 気にしているのは平石のこと。
「 簡単な相手ではないからね。」
「 そうだよね。」
「 けど、遥野ちゃんになら 紫月を任せられそうっす!! 」
稜矢くんは お願いしますと私に一礼。
そして、
「 菜桜ちゃんは任して!」
っと 菜桜の肩に手を回して言う。
「 もう!!稜矢くん すぐそういうこと言うから!」
って 菜桜はまんざらでもない顔。
そんな2人も微笑ましくて、
「 ありがとね!菜桜と稜矢くん。
私は寄りたいとこあるから解散しまーす!」
って 2人にお礼を言い
バスが来ると同時に手を振った。
菜桜は稜矢くんが好きで、
きっと2人は両思いなんだから。
私は1本遅いバスで帰った。