クールな彼の甘苦い罠






「 紫月!また明日な〜
 楽しみにしてんぞ 」

部活終わり、汗を拭きながらルンルンで手を振る稜矢


俺は 「はいはい」と 遇らい速足で裏門へと向かう。


裏門には ポニーテールをした松木の姿があり、
「 お待たせ 」って 近づく。


「 おつかれ様!」って ちょこっと手を挙げる
その姿がたまらなく可愛い。


日も沈み 薄暗い外は 下校する生徒でたくさん。


「 どこかで話せないかな 」

「 駅前に公園ある。行こっか 」


松木は頷き、一定の距離感を保ちながら歩く。


欲を言ってしまえば すぐにでも手を繋ぎたい。


もう、3日も待ちくたびれた。

だけど 今は我慢。

俺は ポッケに手を突っ込んだ。



公園について 端のベンチへ腰掛ける。

横で 「 ふう〜 」と、深呼吸する松木。


「 …えーっと。」

少しして 口を開いたのは松木で、


「 私から話していい? 」

って 俺の方に体の向きを変えた。




「 2日前に藤野の告白を断ったの。
 で、話しかけるタイミング分からなくて今日になっちゃいました。」


俺の方に体の向きを変えときながら
ずっと目線は下にあって、こっちは見ない。




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