クールな彼の甘苦い罠
紫月side



紫月side



「 やべー。俺 、泣きそう 」

昼休み、

中庭でご飯を食べながら 隣で稜矢が言う。


「 お前 バカだな 」

鼻で笑う俺、、


「 紫月が天音以外の奴と付き合うとか、ないと思ってたから嬉しいんだよー。」


まぁ、そうだな。俺自身もそうだし。


天音と別れてすぐは絶対に誰とも付き合いたくないと思ってたから、、


だけど、松木は違う。


今は、好きになっている。


そして、天音への気持ちもない。



「 まぁ、まだ付き合ってねーけど 」

藤野に返事をしてからと言ってたけど
結局 あの日から 3日が経とうとしている。


たまに、これは夢か。とも思ってしまう。



それに、藤野と松木はいつも通りだから。



「「 さよなら〜 」」


終礼が終わり、
荷物をまとめて部活へ行こうとしてると


「 … ねえ 」

って 俺の席まで来たのは 松木。


「 部活の後 、一緒に帰れる? 」


周りに聞こえないくらいの声


「 うん 」

俺は 頷いて

「 じゃ、18時過ぎに裏門にいるね
 部活頑張って 」


って ちょっと照れ臭そうに言う松木。


「 おう ありがとな 」

俺は これが精一杯で 、、


すぐに 松木の側を離れて部活へ行った。




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