クールな彼の甘苦い罠
「 … ッン、、!!」
一瞬のことで 、
軽く 唇が触れる程度のキスをする平石
私は 突然のことで 「 もうっ!!」って平石から少し離れて バシッと叩いてしまう。
きっと付き合ってるんだから普通のことなのに
私、こういうの久しぶりでそんなに慣れてない。
けど、嫌だったわけじゃない。
まぁ 平石には半年前くらいに
強引にキスをされてるわけで…
「 あー。わりい 、嫌だった? 」
って 私が離れたからか、
明らかにトーンが下がり 聞いてくる。
「 ううん。違う… 、嬉しいよ」
私は 首をブンブン振って伝える
「 帰るかー!
…あ、そうだ。
この前言ってた 花火大会あるじゃん? 」
って ベンチを立ち、歩き始める平石に
少し寂しさを感じてしまった。
「 うん 」
「 …一緒に行こうな 」
って 誘ってくれたことが嬉しくて、、
「 ヤッター!いく!」
って ちょっとテンションが高くなってしまい
「 ありがとね 」
って 少し前を歩く平石の左手に自分の右手を伸ばした。
「 うわー、油断した 」
私が ギュッと平石の掌を握ると
嬉しそうに言いながら いわゆる 恋人繋ぎという繋ぎ方に変わる。
結局 家の前まで送ってくれて、
「 また明日な 」
って いつものように 頭をポンポンと2回撫でる。
その大きな手が好き。