追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
「キーランの人間共が国境で騒いでいると連絡が入り、確認しに出てみれば。聖女が捨てられているなんて、一体どういうことだ?」

私が「鑑定」で相手を探れるのと同じで、向こうにも私の情報がわかるのだろう。

しかも、魔王の鑑定能力は私よりも上だ。私の正体もばれている。

緊張したまま体をこわばらせていると、魔王が私を見て言った。

「警戒しなくてもいい。私も息子も、君に害を加える気はないから」

「……はひ」

どう答えればいいのかわからず、間抜けな声が出てしまう。

確かに、害意があるなら、魔王が聖女を救ったりしない。森に置き去りにするなり、気絶している間に倒すなりしているはずだよね。

シリルという少年は、私を看病してくれていたみたいだし。二人からは敵意を感じない。

「あの、助けていただき、ありがとうございます」

「気にするな。拘束されて魔獣の餌にされている女性を見捨てるなど、後味の悪いことはしたくない。それにしても、どうして、キーラン国の奴らは聖女を森へ捨てたんだ? 自分たちで異世界から召喚したのだろう?」

「それは……」

魔王とその息子は、キーラン国が異世界召喚した事情も知っている様子。
< 21 / 211 >

この作品をシェア

pagetop