追放された聖女はもふもふとスローライフを楽しみたい!~私が真の聖女だったようですがもう知りません!~
「私は異世界人の聖女です。使い道はありませんか?」

「しかし……」

フレディオは難しい顔で考え込んでしまう。けれど、私は彼の説得を続けた。

そうして、渋々ながらも、フレディオは最終的に頷いてくれた。

「エマ、私の鑑定によると、君は小規模の結界を自由に操れることになっている。それを、魔族一人一人の体に貼り付けることは可能だろうか?」

「やってみます」

試しにフレディオの周囲に結界を出してみると、うまくいった。

「前線へ出る兵士に、同じ結界を施してやって欲しい。結界が盾の代わりになってくれるはずだ」

「任せてください」

結果、私の結界によって、魔族側の犠牲者は最小限に抑えられた。

他には怪我をした者の治癒も行っている。攻撃手段は持っていないけれど、後方支援なら役に立てるだろう。

とはいえ、フレディオは大きな怪我もよくしてくるので心配だ。

異世界人との戦いは厳しいが、癒やしても癒やしても徐々に疲弊していく彼を、私は見守ることしかできない。聖女の力は精神面に作用しないのだ。

それが、とてももどかしかった。
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