あなたは私の救世主!~俺様ドクターの命じるままに
何も躊躇する事なく聖人を部屋へ招いたみくるは、すぐにキッチンへ行き薬を飲む。

『ん…ぷはぁ~。飲みました!』

『よし!もう忘れないようにしろよ』

『はぁ~い。ところで、明日は健診ですか?』

『いや、久しぶりの休みなんだ。
退院したらデート行くって言ってただろ?』

『えっ!?お休みなの!?デートですか!?
嬉しい~!!』


喜ぶみくるはソファに座る聖人に飛び付いた。
一人暮らしの女の子の部屋で2人きり……
抱きつかれれば……たまらずそのまま……なんて
考えてしまうのはよくある事だろう。
けれど天真爛漫なみくるの事が心配で仕方ない。


『なぁ……俺以外の男が、もし家の近くで
「お腹痛いからみくるの部屋で休ませて」って
言ってきたら、どうする?』

『お腹が痛いって?………辛そうだったら部屋で
休ませてあげますょ。どうしてですか?』

『ミルクのその気持ちは優しくて良い事なんだけど、その優しさにつけ込んで、ミルクを襲ってくる奴もいるんだよ』

『……この間みたぃな、事ですか?』

『そうだよ。ミルクがもっと警戒して、危ない目に遭わないようにしないと』

『………ぅん…』


心配だからと言って、親が子供を叱るような雰囲気になってしまい、また泣きそうになるみくるに申し訳なく思いながら優しく抱きしめてあげた。

< 94 / 175 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop