私の罪
ハグだけでもかなりギリなのに、キスは絶対にアウトだよと思っていると、りょうが一旦私から離れた。

私は、彼が諦めたのかと思って、彼の方を向いた。

「ねぇ、さくら」

「何?」

「目、つぶって」

「やだ」

「なんで!!」

「ダメなものは、ダメ!」

そう言って私はタッチパネルに視線を戻した。

とはいえ、タッチパネルを見たとしても操作が適当になるし、画面に表示される曲名もまったく頭に入って来なかった。

とにかく、落ち着け。

それだけを考えていた。

だから、油断した。

「ねぇ、さくら」

そう呼ばれて、何も考えず彼の方を向いてしまった。

すると突然、彼に唇を奪われたのだった。
< 17 / 45 >

この作品をシェア

pagetop