私の罪
「何がまずいの?」彼が私を抱きながら上目遣いで聞いてきた。

「だから、こうゆうことだよ」

「なんで?」

「みだらな行為・・・」

「みだらな行為?」

彼はキョトンとした顔で聞いてきた。

「そ、だからこうゆうことは・・・・」

「でも、ハグって誰とでもするじゃん!」

「え?」

「家族とだって友達とだってするし、海外では挨拶でハグとかもするじゃん。それなのにみだらなの?」

彼の正論に「そ、それは・・・・そうだけど・・・」と答えられなくなってしまった。

「だから、ハグは大丈夫だよ!ほら!さくらもギューして!」と逆に説得されてしまった。

はぁ、まずいよなぁ。でも、ハグだったらセーフか、と思い、私はりょうを抱き返した。

お互いの心臓がドクドクしてるのを感じる。

心地良いようなくすぐったいようなそんな感じだった。

ハグに気を許した彼は次にとんでもないことを言ってきた。

「ねぇ、さくら」

「ん?(今度は)何?」

「チューしよ」

上からタライが落ちてきてドカーーンと頭を強く打たれたような衝撃が走った。

「ダメダメダメ!それだけは絶対にダメ!」

私が必死に否定をすると

「でも、家族とか挨拶とかでもするよ?」とまた同じ戦法で私を説得しようとしてきた。

「それとはまた感覚が違うでしょ!とにかく、チューはダメだから諦めて!」

「えーーーー!!」と彼は残念そうな声をあげた。
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