私の罪
そのうち、りょうは年上の女のことを忘れて彼女の方を選んでくれると信じていたけど、結局りょうは彼女さんの方を捨てたため、逆上し、周りに私達の関係をバラしたことが事の発端のようだ。

最悪だった。

まさに天国から地獄に落ちた気分だった。

元カノが親に言い、その親がりょうの父親に言い、それだけではおさまらず、元カノが友達にも話したため、クラス全員にも知れ渡り、先生や教育委員会、学校の校長にも知れ渡り、彼の通う中学校は今その話題で大騒ぎとなっていた。

逮捕されるのは時間の問題だなと思った私はとりあえず、逮捕前に示談をするか迷った。

けど、きっと彼の親は私を許さないだろう。

もし、釈放されなかったら・・・・。

そう思ったら私は身震いした。

「とりあえず、このままではまずい!」

身柄を確保される前にどうにかしなければと思った私は、スーツケースを開け、その中に洋服やらアメニティなどを入れて、とりあえず一番信頼している一人暮らしの友達の家に行って匿ってもらおうと思った。

友達にお願いしたら「え?マジで!?」とまだ事件が明るみになっていないので半信半疑だったけど、とりあえず私がガチで困っているのが伝わると快く了解してくれた。

そして、友達にはAmazonでオフィス用のホワイトボードを購入してもらい、友達の家に届けてもらうようにお願いした。

「そんなの何に使うの?」と怪訝そうに聞かれたけど「とりあえず、今は言えない」と言うと察したのか、私の代わりに購入することも了解してくれた。

彼女の配慮に感謝しながら、さっそく私は彼女の家に向かった。

メディアの方にも情報が入ったのか、テレビには「容疑者逃走中」とデカデカと放映された。
そこには私の顔写真と実名が公開された。

SNSは炎上し、瞬く間に私が行ったことが日本全国に知れ渡ってしまった。

友達の家に到着して2、3日後にホワイトボードが届いた。

私の理想通りのホワイトボードとマーカーペンが届いて私は「ありがとう!まさにこれが欲しかったの!」と喜んだ。

「そんなの何に使うの?」と聞かれたけど、「まぁまぁ、これからのお楽しみ」とだけ答えた。
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