私の罪
「あの声とあのおっとりとした感じって・・・まさか・・・さっきのって・・・」

まさか、こんなことが起こるなんて思ってもみなかったから頭がパニックになってしまった。

「なんで、切られたの?もし、返事が返せないことを悪く思ってるんだったらここで事情を説明してくれてもいいのに。なんで切ったの・・・?」

そして、私は思いもよらぬ答えを頭の中で引きずり出して来た。

「私は、彼にブロックされたんだ・・・」

私はショックのあまり項垂れた。

「なんで、どうして、何がいけなかったの?」

訳が分からないのに、ショックだけが強過ぎて、もう一人で耐えるには辛すぎると思った。

そのとき、私はふとあることが頭の中をよぎった。

私は持っていた携帯を見るとカカオを開いた。

そこには「りょう」という名前の文字が見えた。

電話して以来、数週間経ってるし、もしかしたら私と繋がってすぐブロックしたかもしれない。
けど、私にまだ興味を持っていてくれてるのだったら・・・。

私は一縷の望みをかけて、彼にメッセージを送った。

「元気?」

少し待ってみても既読にならなかったため、「ブロックされたかな」と思い、そのまま携帯をベッドの上に放り投げると部屋を出た。
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