ささやきはピーカンにこだまして
「こんばんわ」
「きゃぁ――っっ!」
なになに?
なんで準?
だだだだだだだだだた
カチャッ バターン! ガチッ!
階段を駆け上って、部屋に入って、カギをかけて。
そのあいだ聞こえていたのは自分がたてる騒々しい音だけ。
「うそ」
なんで? なんで?
だっく だっく だっく
静かになった部屋に新しい騒音。
「いやだ……」
心臓が増えた?
だっく だっく だっく だっく
耳の裏までズキズキ弾んでる。
「落ち着いて、一路」
今のは現実?
本当に玄関に、あいつがいた?
「…………」
いた…な。
ずっと、どうにもならない現実を押しつけられてきたわたしは、ファンタジーは苦手だ。
茶色いクルクル天然パーマは、どうがんばったって真っ黒サラサラ髪にはならない。
かわいそうなリアリストは冷静になれば最強よ。
ドアに耳をつけて、じ一っと外の様子をうかがってみる。
なにも聞こえない。
二紀が準を連れてきた。
二紀の部屋はとなり。
だったらすぐ階段をのぼってくると思ったのに。
「きゃぁ――っっ!」
なになに?
なんで準?
だだだだだだだだだた
カチャッ バターン! ガチッ!
階段を駆け上って、部屋に入って、カギをかけて。
そのあいだ聞こえていたのは自分がたてる騒々しい音だけ。
「うそ」
なんで? なんで?
だっく だっく だっく
静かになった部屋に新しい騒音。
「いやだ……」
心臓が増えた?
だっく だっく だっく だっく
耳の裏までズキズキ弾んでる。
「落ち着いて、一路」
今のは現実?
本当に玄関に、あいつがいた?
「…………」
いた…な。
ずっと、どうにもならない現実を押しつけられてきたわたしは、ファンタジーは苦手だ。
茶色いクルクル天然パーマは、どうがんばったって真っ黒サラサラ髪にはならない。
かわいそうなリアリストは冷静になれば最強よ。
ドアに耳をつけて、じ一っと外の様子をうかがってみる。
なにも聞こえない。
二紀が準を連れてきた。
二紀の部屋はとなり。
だったらすぐ階段をのぼってくると思ったのに。