ささやきはピーカンにこだまして
 あっ……。
 思わず言っちゃったけど、アリーナはしーん。
 24の口が、ぽかーんとあいて、わたしを見てる。

 パ…チ パチ パチパチパチパチ

「よく言った、メーメ。…じゃ、頼んだよ」
 拍手している美香キャプテンの満面の笑顔。
「ヤギィ、おまえってやつは……頼りになるやつだぜ」
 ううう。
 真澄先輩の「やぎ」は、相変わらず動物の山羊だ。
 それから――…
 ああ。
 力いっぱい肩を揺するのはやめてください。
 も、結城先輩ぃぃ。
「本当か? いいのか、八木(やぎ)
 うう。
「八木ぃぃぃ」
 あんたはまだ泣くか、小松!
 んもう! 
 もう! もう!
「とにかく頼んだよ、メーメ。タッパがあって、リストが強くて、頭の良い子ならだれでもいいんだ」
 それのどこが「だれでもいい」んですよぅ、美香キャプテン。
 ハメましたね?
 わたしをハメましたね?
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