ささやきはピーカンにこだまして
そっとドアを開くと
「なによ。勉強のじゃましないでよ」
もっともイヤミなセリフが返ってきた。
わたしも一度くらい言ってみたいもんだわ。
「二紀ぃ」
「…………」
返事なし。
いつからこんなに態度がでかくなったんだ。
これだから年子の弟なんて、いらないわって思うのよ。
いくら結婚がおそくて早く子どもがほしかったからって、よりによってかわいいわたしが生まれて1年もしないうちに、こんな生意気なボーズを生まなくたっていいじゃないのよ、母さんのばかっ。
「二紀ちゃーん」
「却下」
むっ。
「まだ、なんにも言ってないですけど」
「言わなくてもわかりますぅ」
振り向きもしない。
あっそう。
だったら話が早い。
「ねぇ。だれか、まだ部活決めてない子、紹介してよ」
「ぼくに奴隷を紹介しろって?」
首から上だけ振り向いた二紀の顔に浮かんでいたのは、あきらかな軽蔑。
く…や、しぃぃぃぃ。
「ぼくは確信したね。なに、あの野球部とか。付属の中等部なんて、犬かなんかだと思ってるんでしょ、あなたたちは」
「…………」
それは否めない。
けど、それ、わたしの話とちがうじゃん。
「なによ。勉強のじゃましないでよ」
もっともイヤミなセリフが返ってきた。
わたしも一度くらい言ってみたいもんだわ。
「二紀ぃ」
「…………」
返事なし。
いつからこんなに態度がでかくなったんだ。
これだから年子の弟なんて、いらないわって思うのよ。
いくら結婚がおそくて早く子どもがほしかったからって、よりによってかわいいわたしが生まれて1年もしないうちに、こんな生意気なボーズを生まなくたっていいじゃないのよ、母さんのばかっ。
「二紀ちゃーん」
「却下」
むっ。
「まだ、なんにも言ってないですけど」
「言わなくてもわかりますぅ」
振り向きもしない。
あっそう。
だったら話が早い。
「ねぇ。だれか、まだ部活決めてない子、紹介してよ」
「ぼくに奴隷を紹介しろって?」
首から上だけ振り向いた二紀の顔に浮かんでいたのは、あきらかな軽蔑。
く…や、しぃぃぃぃ。
「ぼくは確信したね。なに、あの野球部とか。付属の中等部なんて、犬かなんかだと思ってるんでしょ、あなたたちは」
「…………」
それは否めない。
けど、それ、わたしの話とちがうじゃん。