声と性癖
涼真はどちらかと言うと、眠りが浅い。

朝方ふと目覚めて、腕の中の温もりを見る。
すうすう眠っている結衣は、昨日の夜の乱れなんて感じさせないくらい無垢に見える。

仕事中は近寄り難いくらいきりっとしていて、プライベートでは、甘かったり乱れたりして、そして誰も知らないだろうこんな時は、とても無垢……。

昨日も甘い抵抗でもない「や……」とは言っても、本気の嫌ではなくて言わないでとかの
『いや』
「いやなの?」
と聞くと、唇を噛んで首を横に振る。

素直で可愛らしい。

涼真は結衣を布団でくるんで、そっとベッドを出た。
スーツの内ポケットから、ケースに入ったそれを取り出す。
それは、朝日を浴びてキラキラと光っていた。

ベッドに戻った涼真は、きゅ……と結衣を抱きしめる。
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