声と性癖
「そうだ、今日のお寺、お茶が頂けるんですよ。お薄ですけど。予約したので、それもどうですか?」
お薄!本物のお茶だ!

「お作法とかあまり知りませんけど。」
つい、尻込みしそうになってしまった結衣に蓮根は笑った。

「大丈夫です。僕も知らないので。聞きながら一緒にやりましょう。解説しながら立てて下さるそうですよ。」
「う…頑張ります。」

ふふっと、蓮根が笑っている。
「何事も正面から取り組むんですね。本当に可愛い。」

好奇心旺盛なのは、認める…。
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