ずっと気づかなかっただけ。
「チカくん、あの真っ黒な制服はどこの?」

「この近くの男子校。結構文化祭とか大きくて面白いよ。」

「へー!チカくん行きたい!」

「…まだ先だけど、」

「だめー?」

チカくんは少し考えて、

「暇だったら」

と答えてくれる。

ふふふ、やった!!

この返事の時は部活とかどうしてもの予定がなければ、

他の予定を入れずにチカくんは一緒に行ってくれる。

甘やかされている。

これも幼なじみの特権。

2人で並んで歩いていると沢山の視線。

女の子の視線の先はチカくんで。

「チ、チカくんって高校でも相変わらずな感じなの?」

「…何が。」

中学の時もチカくんはすごい人気で。

いや、もう幼稚園とかからだったけど。

「…なんでもないです。」

はぁ、と一息つく。

これはまた慣れるまで大変だなぁ。

でも、チカくんの幼なじみは私だけの特権だから!!

多少の苦労はどんとこい!!
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