ずっと気づかなかっただけ。
ふんっとガッツポーズをしてると、

チカくんが頭に手をおく。

「…目立つことしないで。」

あ、たしかに、変な人になっちゃうね。

急にチカくんの隣で気合を入れてたら。

「すみません…」

謝ってから頭に置かれた手を避けて、

チカくんの顔を見ると、

下から覗いてもかっこいい。

「チカくん、カッコいいねぇ」

「…置いてく。」

「ひどい!」

本日二回目の置いていく宣言をされて、

慌ててさっきまでもってたリュックの紐を掴む。

チカくんはそんな私の動きをみて、

はぁ、と軽くため息をついて進み出す。

あ、怒ってない。

仕方ないなってため息だ!

怒られなかったことに気分を良くしながらついていく。
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