ハロウィンの奇蹟
 アスファルトの上をよくよく見てみればお爺さんの足元にあるべきはずのものが無かった。

 その不自然な足元を見、お爺さんと出会ってから今までの言動を思い返して…やっと合点がいった。



 微かに残っていた西の光が夜の闇に飲み込まれる。

 その頃には2人の姿は完全に消え失せ辺りはただの寂れた町角に変わっていた。


「まさか…そうくるとは、ね」


 私は溜め息交じりにそう呟くと近くにあった古いガードレールに凭れかかった。


「幽霊が普通に見える事に馴染み過ぎて見落としてたなぁ」


 後悔、じゃないけど『してやられたなぁ』という気持ちは少なからずある。

 なんだか担がれた気がしないでもないけど2人が幸せそうだったから良いかなと私は結論付けることにした。
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