マシュマロより甘く、チョコレートより苦く



「も…萌映は女の子だから!萌映のことはだいすきだけど、友達としてー」



「だとしても」



彼が私の言葉を遮る。



「俺は嫉妬深いからそういうのはどうしても気になっちゃうんだ。莉桜はわかるよね?やっぱりさ、連絡手段は俺だけの方がいいんじゃないかな。だって俺、たとえ友達だとしてもだいすきなんて言っちゃう人がいるなんて無理だよ。だからもう三岡さんとか、他の友達でも誰でも遊びに行ったりしないで。俺以外の人と一緒にどこか行ったりしないで」



な、にそれ…。



考え方が明らかにおかしい。狂ってる。



「そんなことしなくても学校に行ったりすれば会えるんだし、最近いちばん一緒にいるのは輝羅くんだよ」



「学校に行ったりすれば、会える?」



輝羅くんは私の言葉をオウム返しにした。



私はそれに必死でこくこくと頷く。



「だったらさ、友達だって同じなんじゃないの?」



その言葉に、私は目を見開いた。



…確かに、言われてみればそうだ。



輝羅くんの饒舌っぷりに上手く反論できない。



「それとも、莉桜にとって俺は友達程度のもんなんだ」



「違う!」



私は大きな声を出した。



「だって、輝羅くんは私の彼氏…だから…」



目を逸らして言ったその言葉が、次第に小さくなっていくのが自分でも分かった。



「よくできました」



彼はさっきとはまるで違う表情をした。



優しくてあったかくて、私の好きな輝羅くんそのものだった。



おでこに、唇に、首に、触れるだけのキスが落ちてくる。



「莉桜、好きだよ。愛してる」

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