妖守の常木さん~妖守は彼女を独占したい~
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「まああ!! なんでそういうことは早く言わないの!!」
女性、もとい常木さんママは目をパチクリさせ拍手をかき鳴らしている。
常木さんは私のことを彼女だと紹介してくれた。
恋愛経験の乏しい私は、ああそうか私たちは付き合ってるんだと妙に恥ずかしくなった。
「母さん、僕はこの子と一緒になりたいんだ。彼女は神社とは関係ないけれど、僕はこの子じゃないとダメなんだ」
常木さんが私をチラリと見やって肩を引き寄せた。
常木さんはなぜか必死に常木さんママを説得しているようだったが
「いいじゃないの! 早く結婚しちゃいなさい!」
と常木さんママは大賛成、どころか結婚を勧められた。
常木さんは拍子抜けして、え、いいの?
本当に?と戸惑っているようだった。