警戒心MAXだったのに、御曹司の溺甘愛に陥落しました

「天野さんがすぐに気付いて口頭で訂正してフォローしたから大丈夫。プレゼンに大きな支障はなかったよ」
「天野さんが?」

他のプロジェクトメンバーも、プレゼンがどうだったのか聞きたくて集まってくる。

大事にならなかったとはいえ、ミスはミス。

私はもう一度すみませんでしたと謝ると、集まった人だかりを抜けて天野さんを探した。

すぐにでも謝りに行かなくちゃ。

そう思うのに周りを見渡しても、天野さんは見当たらない。

「キヨ、天野さん知らない?」
「天野さん? あの人いつも大きな仕事終わったら屋上で煙草吸ってるから。屋上にいるんじゃないかな?」
「屋上ね、ありがとう。行ってみる」


エレベーターで屋上まで上がり重い扉を開けて外に出ると、キヨの言う通り煙草を吸う天野さんを見つけた。

つい先々週まで残暑だなんて思っていたはずなのに、今日は風が強くて少し寒い。

柵に肘を掛けて煙草を吸う姿は悔しいけど様になってて格好いい。

話しかけるのをなんとなく躊躇われて見惚れていると、こっちに気付いた彼と目が合ってしまった。

「……お疲れ様です」
「なんでここってわかった?」
「あ、キヨに聞いて」
「……キヨ、ね」

じーっと探るように見つめられる。

もしかして邪魔だっただろうか。言う事だけ言ったらすぐに退散しよう。

そう思って早速話を切り出した。

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