警戒心MAXだったのに、御曹司の溺甘愛に陥落しました
「あの……プレゼン資料の件」
「あぁ」
「申し訳ありませんでした」
これは怒られようが仕事が出来ないと詰られようが私が悪い。腹を括って頭を下げた。
「あんくらい、気にすんな」
「でも……」
「それより細々補佐してくれた功績の方がデカイ。助かったよ、ほんとに」
真っ直ぐに私を見つめる瞳が少し細められる。
笑って褒められるのがくすぐったい。今まではからかわれてばっかりだったのに。
「まだ結果はわかんねぇけど、ほぼ決まりだろ。今週末には承認下りるんじゃねぇかな」
「ふふ、凄い自信ですね」
自信満々で当然のように言うのが可笑しくて、つい私も笑ってしまった。
びゅっと強く風が吹いて、思わず肩を竦める。
「……やっぱ、笑うと可愛いのな」
「え? 何か言いました?」
ぼそっと言った声が風で聞き取れなくて聞き返す。
「俺の企画なんだから当然だって言ったんだよ」
相変わらずの上から目線。これで謙虚だったら爽やかで好感度も上がるのに。
でも、それが天野翔だと思う。
多少傲慢で横柄に言っても価値が下がらない程、仕事が出来て人望があって、きっと人を思いやれる優しい人。