今日からニセモノお姫様!





そんな思いを抱えながらもあくまで私は乙女様である態度を崩さず堂々と部屋に入室する。

すると男たちが一斉に私の方へと視線を向けた。

何とまあ美しい光景なのだろう。
乙女様すごいわ、こんな選りすぐりの精鋭集めて。



「みんな集まっているようね。ようこそ私の楽園へ。この日を楽しみにしていたわ」



美しい男たちを一瞥すると私はふふっと高飛車そうにだがどこか嬉しそうに笑い、話し始めた。



「本日より私たちはこの楽園で共に生活を送る。そしてその中で私に選ばれた者が私の唯一となる権利が与えられ、晴れて婚約者となれるの」



饒舌に今喋れているのは全て伊織と昨晩の私のおかげだ。今話している内容は全て伊織が考えた、乙女様スピーチであり、私は喋り方込みで乙女様スピーチを伊織によって叩き入れられていた。



「その上でここへ来る前に契約書等で確認済みだとは思うけどこの楽園での決まりを説明させてちょうだい。まず、アナタたちは私に呼ばれた時のみ私に答え、私と共に過ごすこと。順番も規則性もないわ、私の気まぐれよ。だけど夜だけは必ず誰かを私の寝室に呼び、共に過ごせるわ。とりあえずは以上ね」



なんて決まりだ。自分で偉そうに言っていることだが頭痛がする。
本当は頭を抱えて嫌だー!て叫びたいが今の乙女様モードの私にはそんなことはもちろん許されない。









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