【完結】偽り夫婦の夫婦事情〜偽りの愛でも、幸せになれますか?〜



  

 「はい。頑張りましょう?わたしもついていますから。何かあったらいつでも言ってください」

 「ありがとう聖良。お前がいてくれて助かってるよ」

 「いえ。これも妻である、わたしの仕事ですから。夫を支えるのは、妻の仕事ですよ?」

 「そう言ってもらえるとありがたいよ。……とりあえず一旦、会社へ戻ろうか」

 「はい」

 わたしたちは会見終了後、鷺ノ宮グループの本社へと一度戻った。棗さんが新社長に就任して間もなく、前社長である棗さんのお父様は、ガンの治療のため入院することになっていた。
 
 お父様の手術は3日後に行われることになっていたため、お父様は今日から入院する。手術の前に検査などを行うので、わたしたち入院のための手続きを済ませていた。

 病院の担当医師によると。お父様のガンの状態を確認してからになるけれど、おそらく手術は何もなければ予定通りに行われることになるだろうとのことだった。これからお父様の治療が始まる。とにかく無事に治ることを祈るしかなかった。



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